中東のドバイに企業が殺到した「フリー・ゾーン」とは


オイルマネーで沸いたドバイでは、
資源枯渇を予想して、いち早く産業多角化の対策
「フリー・ゾーン」を取り入れました。

今では世界100カ国以上から大企業を含む6,000社以上もの企業が進出しています。





ドバイでは、不思議な形のホテルを建てたり、
世界地図を模した島を作ったりして、
派手なプロジェクトばかり行って、
明日にでもバブルが弾けるのでは?
と囁かれていますが、
ドバイ経済は堅調なようです。

ドバイと言えば、観光業が好調であることがよく知られています。
華やかで景気の良いことばかりが注目されますが、
足元は意外としっかり固めているのです。


経済面では、フリー・ゾーンと呼ばれる自由貿易地域を、
外国資本を導入することだけでなく、
世界の最先端の技術を取り込むことを目的として設立しました。

シンガポールや中国が経済特区を設置することによって大きく発展したように、
ドバイの急速な経済成長には、
フリー・ゾーンによる外国企業誘致が功を奏しています。




ドバイに初めてフリー・ゾーンが誕生したのは1985年、
日本がバブル景気に入る少し前の頃です。

世界最大の人口港であるジュベル・アリ港を中心とするジュベル・アリ・フリー・ゾーンは
中東初のフリー・ゾーンでもあります。

前例のない試みに、当時はこの巨大プロジェクトが成功するのかどうか半信半疑な目で見られていましたが、外国企業に対し様々な優遇措置を講じて誘致を進めた結果、
現在では世界100カ国以上から大企業を含む6,000社以上もの企業が進出しています。


ジュベル・アリ・フリー・ゾーンには、
ブリヂストンやホンダ、
シチズン、ケンウッドなどの日本企業も数多く進出しています。

更に、この成功に刺激されたUAEの首長国や周辺諸国は、フリー・ゾーンの設立に積極的に取り組むようになりました。


アラブ首長国連邦では、
現地で会社を設立する場合、通常、外国資本の出資比率は最大49%までと定められています。

しかし、フリー・ゾーンでは外資 100%企業を設立することが許可されていて、
国外から自由に労働力を取り入れることができます。

他にも、法人税や輸出入の関税が免除されるなどのインセンティブが付与され、
進出企業にとって税制面のメリットが大きいのです。

資本や利益を国外に自由に海外送金をすることができ、
また、現地人を雇用しなければいけないといった義務もないため、
海外企業は自由に事業を進めることができます。

現在、マイクロソフトやIBM、
ヒューレッドパッカード、キャノン、
ロイター、ソニーなど世界の名だたる企業がドバイに進出しています。





・ドバイがフリー・ゾーンを設けた理由

ドバイが海外資本に積極的な理由は、
ドバイが2010年までに石油依存度を0%にするという目標を掲げていることに関係しています。

ドバイは石油を産出したものの、
UAEで最大の面積・人口を有するアブダビと異なり、
埋蔵量はそれほど多くなく、天然資源にあまり恵まれていません。

そのため、将来、石油が枯渇することに備え、
オイルマネーを元手にして観光や物流、金融などのセクターを強化し、
産業の多様化を推し進めています。

また、2010年までに石油依存度を0%にするという目標を掲げています。

産業が発達していない状態で資源がなくなれば、国(首長国)を存続させていくのは難しくなりますが、
ドバイには地理的に恵まれているという強みがあります。

この強みを生かすために、空港や港湾などのインフラを整備しアクセスの利便性を向上させたことで、
中継貿易地としての機能を持つようになりました。

こうして、欧州やロシア、CIS諸国、
アフリカ東海岸、南アジアの中心地に位置するドバイに、
世界中からヒト・モノ・カネが集まるようになったのです。


大規模なプロジェクトが話題になりますが、石油が発見されてからの動向を見ていると、
巨額のオイルマネーを勢い任せに散財しているのではなく、
将来を見据えて計画的に開発を行っていることが分かります。

フリー・ゾーンが一過性の政策で終わらなかったのは、
外国企業を受け入れる体制ができていたことも大きいようです。

ドバイにも金融危機の影響がでてきていますが、
この状況を無事にのりこえられるのかに注目が集まります。


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